パソコンが飽きたと言って紙やホワイトボードにお絵描きをする女の子
ITeens Lab.に通う小学2年生のKちゃんという女の子が居ます。
お絵描きが好きでパソコンのペイントツールでお絵描きをしていましたがなかなか難しいのか最近飽きてパソコンを使わないお絵描きを始めてしまいました。
ここはITを勉強する場なのでこればっかりしてパソコンに触らないというのはダメだ、と悩みました。
パソコンをやりなさい、ルールだから、と言って無理やりやらせるのは教育を考える上でとてもナンセンスです。
そうやって嫌々やっても意味は無いと思います。
そこで少し工夫をしてフリーのお絵描きツールを導入しました。
フォトショップの簡易版のようなものでFireAlpacaというソフトです。
レイヤー機能が使えるのがとても便利です。
もちろん子どもでなくても十分使えるソフトですね。
LINEスタンプの作成を教えるときはこのソフトを使ってもらってます。
ただペイントで描いてもらうだけでは飽きてしまっていたので少し手法を変えてみました。
1.まずは普段描きたがっているポケモンの絵をグーグルで画像検索!←インターネットの検索技術は超大事
2.画像をパソコンに保存←ファイル管理もめちゃ大事
3.そしてこの画像をFireAlpacaで開き、一番下のレイヤーに配置し、さらに上にレイヤーを追加し、画像をトレースする形で別のレイヤーにお絵描き
4.色塗りや背景もそれぞれレイヤーを分けて描いていく←レイヤー機能を使いこなせばデザインの作業が出来る!
5.そして最後は開いた画像のレイヤーを非表示にしてプリントアウト
なかなか上出来な絵をパソコンを使って描くことができてKちゃん大喜びでした(^^)
飽きるとすぐに席を立ってはしゃいでしまうKちゃんですが(元気なのは良いこと)このやり方でお絵描きをしてみたところ
「次はこれ描く!」とか「今日はあと2枚作る!」といって自分からどんどん進んでやるようになりました。
終了時間が来ても「あとちょっと待って、」と言って最後の一枚を完成させ、迎えに来たお母さんに得意そうに絵を見せていました。
気分が乗っていない日はあと「何分で授業終わるの?」とか言っちゃう子ですが気分が乗るだけで内容の濃さが全然違いますね。
もともとこんな風に絵を描きたい、という気持ちがあったのでそこでレイヤー機能などの便利な機能を教えてあげるととても嬉しそうにしていました。
こうしたい、という気持ちをパソコンが実現してくれたのです。
これを勉強だからしなさいと言って教えていてもあまり喜ばなかったでしょう。
ニーズがあった上でそれを解決する形で学びがあるということです。
結果として楽しく遊びながら学べたはずです。
子どもは勉強をやれと言われてもやらない
正確に言うと、
子どもは「勉強をやれ」と言われると、「勉強」ではなく「勉強してるフリ」をします。
とりあえず字を書く、机に座ってる、授業を聞き流して他のことを考えている、塾へ行ってそこで時間を過ごす、などです。
これを見て満足する大人達がたくさん居ると思います。
多くの親が子どもを塾に通わせて満足しているのは子どもの勉強しているフリで満足しているからだと思います。
もちろん全てがそうだとは言えませんが、宿題をたくさんやっても、机の前に長時間座っても、塾へたくさん行っても、本人の意識次第で学んでいるのか時間を浪費しているのかは全く変わります。
子どもが自ら1時間何かに取り組んだ場合と10時間とりあえず塾の机に座っていただけの場合では明らかに前者の方が「学び」があったはずです。
しかしそれを周りの大人が評価してあげないと非常にもったいない。
何を基準に子どもの学びを考えるのかは大事です。相対的な時間で測ったってしょうがないんです。
自分から考えて自分の頭でいろいろと試行錯誤をしている時間こそ一番本当に学んでいる時間でしょう。
何が一番学ぶ瞬間かを考えると、このように自ら取り組んでいる瞬間というのは勉強という範疇ではなく、「遊び」の感覚で子どもが取り組んでいる時だと思います。
「遊んでばかりいないで勉強しなさい」という言葉は、実は子どもを学びから遠ざけてしまっているのでは無いでしょうか。
遊び感覚で学びにつながる環境を作ってあげることが成長の一番の方法ではないかと思います。
そして子供の学びや成長の瞬間を周りの大人がしっかりと見極めれるようにしていくべきでしょう。
講師:近藤