こんにちは!
ITeens Lab.箱崎ラボを担当しています、ほとりです(^^)

現在大学の教育学部に所属し、心理学を中心に勉強しています。
今回はITeens Lab.でも必要とされる「集中力」をテーマに、発達障害にも触れながらまとめてみました。学習やゼミ受講の際の参考になる部分があるかと思います。

集中力、長続きしますか?

学習を始めたものの集中が続かない、と悩んでいませんか?
・自分の席について学習を続ける!
・勉強に対する集中力を保つ!
しようと思っても続かないという経験、ありますよね(><)
特に、子どもたちは好奇心旺盛で、あちこちに注意が向いてしまいがちではないでしょうか。
ITeens Lab.のゼミでも、基本的には90分間、自分の席について作品制作を続けています。もしかすると受講中の生徒さんの中にも、同じような悩みを持っている人がいるのでは…?

発達障害の中には、極端に集中力を持続させることが苦手なものがあります。
これからそのうちのひとつをご紹介します。

ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:注意欠陥・多動性障害)

近年話題に上がることも多くなっています。この名称を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。


ADHDの発症時期は小学校低学年程度。原因は明らかにはされていません。ひとつの説として、前頭葉や線条体と呼ばれる部位の神経伝達物質(ドーパミン)の機能障害があります。遺伝や心理的・社会的な要素等、様々な要因が絡み合ってADHDに結びついているとも言われています。

ADHDの特徴には、年齢に応じた発達度合いに不釣合いな注意力の散漫さ、衝動性、多動性があります。例えば、学習している時に席でじっとしていることに耐えられず立ち上がってしまったり、興味を移して他のことを始めてしまったりすることも。また、喋りたいという自分の気持ちをうまくコントロールできず、静かにするべき状況で過度にお喋りをしてしまいます。
このような特性が原因で、学習に集中しなければならないとわかっていても、実際に集中することは苦手です。

周囲からは、このような行動が本人の意思によるものだと捉えられてしまいがち。「集中力がない」という目で見られることもあります。
友達や大人から注意を繰り返し受け、自己肯定感を低下させてしまうケースも。
そうなってしまうと、学習意欲の減退、さらには人に会うのが嫌になり、学校や塾へ向かうこと自体への嫌悪感が生まれてしまいます。

ADHDによる集中力の欠如も、その子の大切な特性のひとつです。
うまく付き合っていくことで、得意を伸ばすことにも繋がりますよ(^^)

厳しく注意を繰り返すのではなく、周囲の人や環境からサポートしていきましょう。そうすることで、本人の過ごしやすさが格段に増大します!

集中力を向上させる方法を紹介!

ADHDであってもそうでなくても、保護者の方からの学習に集中してほしいという気持ち、そしてもちろん本人の学習に集中したいという気持ちがありますよね。
そこで、学習に集中するコツをいくつかご紹介します!
学習する前に集中力を高めるコツを知ることで、うまく学習を続けられるでしょう(^^)
簡単に実践できるものを並べましたので、参考にしてみてください。

集中を妨げる刺激をできるだけ排除する

当たり前のようで、私も中々できていないような気がします…。

視覚の領域では、学習に関係のない刺激を排除することが有効です。
まずは学習する時に机の上から関係ないものを片付けるところから!
ただ机の上に開いてあった漫画を閉じて棚にしまうだけではなく、目の届かない所に移動させましょう。椅子に座った時に視界に入らないように、背中側にある棚に入れる。どうしても視界に入る場所にしか置けない場合は、上に目隠し用の布を被せることで、簡単に視界から消すことができます。

聴覚の面では、学習する時間にはテレビの音や他の人の話し声が聞こえないように工夫しましょう。
例えば部屋の中は静かでも、ドアの向こう側から話し声が聞こえるとそちらが気になって仕方なくなってしまいます。
お子さんが宿題をしている時だけでも、家庭での生活音を少し小さくするよう心がけてみてください。

色を有効活用する

みなさんは、色の心理的効果について耳にしたことはあるでしょうか?
これをうまく利用することによって、集中促進効果が生まれることもあります。
学習する際には、目に入る小物の色を青にしてみるのです。

青色には気持ちを落ち着ける効果があります。何となくそわそわした気持ちを沈めることを期待できます。
他にも活用方法は様々、パソコンのデスクトップを青っぽいものにして、ふとした時に見てみるとか…。
もちろん個人差はあると思いますが、試してみる価値はあります(^^)

スケジュールを立てる

学習にうまく取り掛かれない時、もしかすると具体的に何をどのくらいするかを決めていないのではないでしょうか?
例えば“今日は夜の9時までにワークを2ページ進める”、というように、学習の前に具体的な計画を立ててみましょう!
ITeens Lab.では、ゼミの最初に“練習問題を2つ進める”と宣言してもいいかも。

また、すると決めたことをふせんに書いて見えるところに貼るのも効果的です。

視覚的に何をしたら良いのかがわかりやすいですよ!
さらに、終わったら付箋を剥がしてノートに貼り付けていくと、付箋が減るのも楽しくなりますし、後からノートを見た時に溜まった付箋で達成感を得ることもできます(^^)

特性とうまく付き合おう

本人の努力があることはもちろんですが、それを支える周囲の人の存在は欠かせません。保護者の方や友達、先生といった一緒に過ごす人が、集中しにくいという特徴を正しく理解するだけで本人の気持ちは軽くなるのではないでしょうか。理解していることで声掛けの仕方やアドバイスもその人に合うように変えていくことができますよね。

実はADHDの特徴は、集中が苦手というだけではありません。
自分で興味をもったことにはむしろ、集中して取り組むことができる側面もあるのです!
集中しすぎると他のことに注意を払えないという“過集中”の状態になってしまうこともあります。ですが、周囲の人のサポートや、定期的に進行度をチェックして休憩を取り入れるといった工夫を組み合わせ、自分のペースを見つけて素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる可能性をもっています!

学習のコツをその人に合う形で取り入れていくことにより、集中して学習に取り組むことが苦手なお子さんたちも、少しずつうまく学習を行えるようになると思います。
ADHDでないお子さんも、実践して集中力を一段と伸ばすことに繋がるかも!
是非試してみてください(^^)

【参考文献、URL】
https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/7125/ 2016年2月 マイナビ進学編集部
https://h-navi.jp/column/article/68 2016年1月 リタリコ発達ナビ
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.html 文部科学省
・『臨床理学のすべてがわかる本』 ナツメ社 松原達哉編著 2010年
http://www.taira8.com/blog/archives/961.html 2013年 Oasisnoki