現役教師ゲストに聞く「テスト?キャリア教育?」学校現場のリアルと実践

教育をアップデートvol.59 ダイジェスト版
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 :小林侑樹(ITeens Lab 代表)

 :オレンジの人(ITeens Lab 共同代表)

 :北先生(ゲスト、高校教諭)

 :匿名先生(ゲスト、小学校教諭)

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 今日は学校の先生にリアルな話をぜひ聞きたいなと。では自己紹介をお願いします。

 こんにちは。福岡の小学校で教員をしております匿名先生と言います。以前はサラリーマンをしていました。子供たちに教えるにあたって大学を出てすぐに教えられるんだろうかと思って会社員から始めました。

 私は、もともとは東京で会社員をしていました。その中で就活生と関わるうちに、自分の未来に希望を持てなかったり、どうなりたいのかも言えないところを見て教育が大切だと思ってTeach For Japanで小学校で教えていました。今は同じ地域にある高校に配属になって仕事をしています。

 ではお二人のお互いの教育をアップデートを見た感想について聞いてもいいですか。

 北先生の言われた、自分のやりがいとか、どうなりたいのかを言えないのは、今の教育のどこかに問題があると感じていて、すごく共感しました。今日話をするのが楽しみで仕方がなかったです(笑)。

 二人ともご自身が悩んだ経験から来ているということですよね。

 そうですね。

 自分と同じような人を生み出したくないと思っています。

 ただ普通の公立学校だと、こんな風に教育の話をすることが少ないかもしれません。

 教育理念を語りあうみたいなことってないんですかね?

 仲のいい先生とならあります。職員室にいる先生全員と話すということはないですね。

 教頭先生のバックグラウンドとか聞かないですね(笑)

 聞きたいですけどね。

テストって必要? 

 近藤さんの、テストってどうなの?って話にかぶせてですが、先週僕もテストってほんとに必要なのかって思っていたんですよ。

 来た!

 高校の社会の授業で、知識ではない考えるところも身に着けてほしいとおもっているんですけど、結果的にテストの形にするときに知識の部分を入れなければならなくなるんです。するとテストのために教えているということになってしまうんですよね。 

 匿名先生いかがです?小学校と高校では話が変わってくるかもしれませんが。

 小学校では最近外国語が教科として導入されました。コミュニケーションを楽しむというところに主眼があります。そこにテストをしてしまうと、楽しいはずのコミュニケーションが点数をとるために学習をするというものに変わってしまいます。

 うんうん。

 私は少し割り切っています。テストはあくまで通過儀礼として利用するくらいに思えば便利だと思います。

 つまりテストを目標にすることは違うかもしれないけれど、いったん一区切りをつけるものとしていいのかもしれないですね。

 ITeens Labは、高校でプログラミングの授業とカリキュラムにも関わっていますよね。学校のほうからプログラミングのテストをしてほしいと言われましたか?

 最初はペーパーテストにしてほしいと言われました。さすがにプログラミングなので、実技テストでお願いしました。学習の達成を測る基準を設けないと文科省の認可が下りないので、テストが必要だったんですよね。

 たしかにカリキュラム作りで、授業とテストの内容のマッチングをすごく考えます。テストのための授業だとどうしても知識に寄ってしまいますね。気を付けていきたいところですね。

 テストのために授業の形が逆算的に左右されてしまいがちですが、匿名先生はどうやってそれを回避していますか。

 例えばですが、外国語もテストは買わずに自分で作りました。どういう評価基準か子供たちに伝えて、ネイティブの先生と会話をする実技テストにしていました。

 ネイティブの先生とこれだけ話せるようになったよという実利が見える形になっていたということですね。

 そうですね。 

 気になったんですが、小学校のあのカラーのテストは買っているんだといきいて衝撃を受けました。どんな仕組みになっているんですか?

 漢字ドリルなどを作っている会社が各教科書に合わせてテストを作っているんです。教師はカリキュラムに合わせてその中から最適なテストを選んで使っているんです。

 匿名先生がテストを使わなかったと聞いて個人的には衝撃でした。そんなことがあり得るのか!

 もちろん会議で、今年度はこういう教材を使ってやりますという承認をもらう必要があります。買わないものはこの代替案で行きますという話をします。

 話が逆行しますけど、ITeens Labも、プログラミングのテストを作ればいいんじゃないですか?

 なるほど。プログラミングの評価の軸としてそういったものを欲しがっている先生が多いということですね。 

 ITeens Labで、カリキュラムごと作って販売すれば大変なことに(笑)。

 考えます(笑)!でも、外に出ていくのもいいんですが、まずは自分たちの生徒が一番ですから! 

学校現場でのキャリア教育の実践

 ではもっと踏み込んで、北先生からキャリア教育の重要性を訴えたいというテーマをいただいています。これについて聞かせてください。

 私自身、キャリア教育が重要だと考えて先生になりましたからね。

 匿名先生もキャリア教育の重要性は?

 激しく共感するところですね。子供たちが自分で考え、我がごととして生きていくという素地は小学校から教えていかなければと思います。

 ところで、キャリア教育というのは具体的にはどういったことをするんですか?

 昨年は、自分たちの住んでいる街が実際にどのようになってほしいかを考えてもらいました。実際に地元の魅力と課題を議論して、高齢者、障害者、LGBTQの方たちも自分たちも住みやすいマチをグループで1m×1mに作る作業をしました。

 うんうん。

 オンラインで発表して、記者の方やNHKの方にも取りあげられました。そして市役所の都市計画課の方も来て、子供たちの意見を街づくりに反映させたいということになりました。

 おお~。

 大人たちも発表したんですが、もう子供たちが突っ込みをすごく入れるんです。子供は興味ないですとかね。ある子は、高齢者の方も多いから、インスタ映えよりも高齢者の方のための街づくりも大切ですよと発表したり、他者の視点にも立っていましたね。

 すげえ!

 キャリア教育が地域を動かしているのもいいですし、子供たちにとって自分たちの意見が必要とされている、取り上げられているということが、とても大きかった。

 これは他の先生でもできるでしょうか?再現性はどのくらいありますか?

 私の人とつながるのが好きだという性格や土日も働くということがあると思いますが、どれだけ地域とつながるかという意識を持っているかも大きいと思います。

 未来が明るくなる話ですね。

 お話を聞いていてキャリア教育で大事なポイントは、箱庭化させないことかなと思いました。

 地域の中にも学校にかかわりたいと思っている方がいると思います。でも免許やつながりがないと入れないんですね。これを取り除かなければと思います。 

学校の先生が新しいことに挑戦していくには?

 お二人の話を聞くとそんなことできるの?って思ってしまいますね。そういったことができるということを知らない人も多いんではないですか?

 そうですね。それから悪い文化だと思いますが、例年通りということがすごく多いですね。

 でたー(笑) 

 一年後に子供たちがこうなっていてほしいという目標がないんですよ。その具体性が甘いというか。経験だけに基づいているから今までと同じにしかならないんですね。

 その例年通りの方々の意識をぶっ壊すにはどうしたらいいんですか?

 どうしたいのかはあると思うんですよ。ただ周りから「そんなの無理ですよ。やめましょうよ」という同調圧力が働いて自分の意見を言えなくなってきているんだと思います。

 その新しいことはやめましょうみたいな同調圧力は匿名先生のところでもありますか?

 めちゃくちゃありますね。私も周りの同僚に恵まれないときがありましたが、ただ会話を増やして、その人がどんなパーソナリティなのかっていうことを話してもらうだけで、すごくその人が生き生きしてくるんですよね。

 思いはあるけど、語る場がないということですね。

 草の根的にこういうことを繰り返していると、学校全体の土台が上がってきます。

 私は、職員室で笑いをとるということをしていました。あの場が暗くなるパフォーマンスが下がるんです。明るくなると学校に来るのも楽しくなると思うんですよ。

 生徒がやる気が出る仕組みは考えることがあっても、先生方のやる気が出る仕組みやサービスが学校にはあまりないような気がしています。

 クラーク学院に行ったときに、先生が自分のクラスはこういう風にやるんだというプレゼンをして生徒募集という形でやっていました。先生が語る場があって生徒が共感して、すごいくいい実例だと思います。

 相当安心安全な職場環境なんでしょうね。

 先生の心理的安全性大事!

 先生の心理的安全性ね。これ今日のキーワードかもしれない。

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