2020年からの教育改革に伴い、小学校ではプログラミング教育が始まります。
しかし、この教育改革では具体的に何が変わるのでしょうか?
2020年からプログラミング教育が始まることは知っているけど、具体的に何が変わるのか分からない
このように思う方も多いと思います。
そこで、この記事では2020年の教育改革の内容を見ていきたいと思います。
文部科学省の教育に対する考え方
今回の教育改革のキーワードは「社会に開かれた学校教育」です。
2020年教育改革の主な軸は3つあります。
新しい時代に必要となる資質・能力の育成と学習評価の充実
新しい時代に必要となる資質・能力を踏まえた教科・科目の新設や目標・内容の見直し
主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習過程の改善
新しい時代に必要となある資質・能力の育成と学習評価の充実
全ての教科を
①知識・技能
②思考力・判断力・表現力
③学びに向かう力・人間性
の3つの軸に分けて再構成を行います。
例えば、理科の授業だと次のようになります。
①生物の体のつくりと働きについて学ぶ
②観察や実験を通して生物の規則性や多様性に気づく
③生命や多様性を尊重し、自然環境の保全に対する態度を養う
新しい時代に必要となる資質・能力を踏まえた教科・科目の新設や目標・内容の見直し
「外国語」や「特別の教科 道徳」などの新しい教科や科目を設定します。
また、国語や算数、理科、社会などそれぞれの教科の学習指導要領も一部変更されます。
主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習過程の改善
先生が教壇に立って板書をし、生徒はそれをノートに書いて勉強する。
このような受動的な学習スタイルではなく、自分たちで課題を設定して必要な情報を調べ、話し合い、課題を解決する方法を見つけ出すのが「アクティブ・ラーニング」です。
「主体的な学び」と「対話的な学び」、「深い学び」を3つの軸として行われます。
具体的に変わること
2020年の教育改革に対する文部科学省の基本的な考え方や思いは分かりました。
でも、具体的に何が変わるんでしょうか?具体的な改革内容を見てみましょう。
2020年の教育改革で変わることは主に3つです。
英語の教科化
道徳の教科化
プログラミング教育の導入
英語(外国語)が教科に
現行では、小学5年生から「外国語活動」が始まり、年間35時間の授業が行われています。
新学習指導要領では、小学校3年生から「外国語活動」として英語学習がスタートします。
外国語活動では、「活動型」という位置付けでスピーキング・リスニングを中心にし、英語に慣れさせることを目的とします。
小学校3・4年生は年間35時間(週1コマ程度)授業が行われます。
そして、5・6年生では「外国語」として、年間70時間(週2コマ程度)の授業が行われます。今までの倍の授業時間です。
外国語の授業では、「教科型」という位置付けでリーディング・ライティングを中心とします。
道徳が教科に
「今までも道徳の授業あったよね?」
そう思われる方も多いと思います。
しかし、現行の学習指導要領では「道徳」という正式な教科はなく、地域によって取り組みに差が生じていました。
また、いじめや青少年の自殺が大きな社会問題となっていることを受けて、この度教科となりました。
これまでの道徳は「特別の教科 道徳」という正式な教科になります。
この「特別の教科 道徳」では、学級担任が授業を担当し、授業では検定教科書(※)が使われます。
また、他の教科とは違い、数値での成績評価は行わずに記述式で生徒の道徳性の成長の様子を積極的に評価します。
※文部科学大臣の検定を受けた図書のこと
プログラミング教育の導入
「2020年から小学校でプログラミング教育が始まる!」
だからといって、いきなり子供たちがPCとにらめっこしながらプログラミング言語を学ぶという訳ではありません。
子供たちが学ぶのは「プログラミング的思考」です。
プログラミングという教科ができるわけではなく、各教科にプログラミング的な考え方を取り入れた授業が行われます。
しかし、プログラミング教育の具体的な内容ははっきりと決まっておらず、「様々な学年・教科・単元で取り入れ、各学校の創意工夫により積極的に取り組むこと」とされています。
つまり、「プログラミング教育の取り入れ方は現場に任せますよ」ということです。
ただ、学校の先生のほとんどがプログラミングやITに詳しい訳ではありません。
そこで、文科省は「未来の学びコンソーシアム」を設立し、HPで実際の授業例を紹介しています。
まとめ
以上、2020年の教育改革の内容を簡単にご紹介しました!
ITeens Lab.の教育理念はこちらの記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
https://iteenslab.com/idea/