毎週日曜日19:00~20:00、ITeens Labの代表・古林と共同代表・近藤がお届けするライブ配信【教育をUPDATE】。

本記事では、配信の様子をダイジェスト形式にてお伝え致します。

 

今回のゲストは、『CoderDojo』や『未踏ジュニア』など日本におけるプログラミング教育の重要ポイントを担われている、『安川要平《やすかわ ようへい》』さん。

『プロダクトを作ろう!』をテーマに、安川さんご自身が関わられている事業についてや、そこに至るまでの経緯についてお話をお伺いしました!

様々な方面にてご活躍されている安川さん

 

それでは、まずは自己紹介をお願いします!

 

安川と言います。

基本的には以下の三つの事業のほうに立ち上げから関わらせて頂いています(画像・1を参照)。

画像・1

まずは『YassLab』という株式会社です(画像・2を参照)。

完全リモートワーク制で、採用からリモートで行っており、現在フルタイムで働いている人やパートの人なんかの中にも未だ実際に会ったことはないという人が居たりします。

事業としては、「Railsチュートリアル」や「Railsガイド」というコンテンツを提供しています。技術情報というのは膨大で、それも最新のものとなると追いつくのが大変だったりするのですが、たとえそれが大型のコンテンツのものだったとしても楽にアップデートできるよう助けるものですね。

画像・2

 

次は『CoderDojo』(画像・3を参照)。

これは『非営利の子どもプログラミング道場』というものですね。

「子ども×技術×非営利」がキーワードとなっています。

一つ一つのイベント自体は参加者が10人前後くらいの規模で、それが毎週だったり隔週だったり、定期的に行われるという形になります。

「誰かが一方的に教える」というよりは「みんなで一緒に学ぶ、一緒に考える場」。そういうものを非営利で提供していく取り組みです。

画像・3

 

最後は『未踏ジュニア』ですね(画像・4を参照)。

これは、『CoderDojo』なんかでプログラミング等を学ぶ環境が整ってくると、今度はその中から『途轍もなく凄いことをやり始める人』が少しずつ出てくるわけで、その人達を更にもっと引き上げる、というようなことを目的としたプロジェクトです。

画像・4

 

昨今は一人の人間ができることが、テクノロジーによって増えてきています。

会社としても、非営利の法人としても。様々な視点、角度から、それを後押しして行こう、ということを行っている人間になります。

 

いや、凄い。

なんかもうお腹いっぱいな感じですよね……(笑)

 

安川さんの現在に至るまでの経緯

安川さんがなぜこのようなことを行うようになったのか。その経緯だったり流れだったりをお話して頂いてもよろしいですか?

 

そうですね……。

割合様々なことをやりながら沢山のことに関わって来ていて、僕は「この事業が刺さりそうだからやる」みたいな計画性を持って取り組んだというよりは、色々なことにチャレンジして、その中で市場から良いフィードバックが帰ってきたものに、更に注力してリソースを割いていく、というようなやり方でここまで来ているんです。

その結果として、現在では先の三つの形に落ち着いているわけですね。

ですから、「今やっているこういうことをやりたい」という目的を最初から明確に持ってやってきたわけではなくて、今までには他にも色々なことをやっていました。

 

「『CoderDojo』憲章」について

「『CoderDojo』はこうあるべきだ」というものを掲げてしまうと、必ずそれには例外が出てきてしまうわけで、その人達を認めない、排他的な仕組みになってしまいます。

でも、全国215ヶ所以上あって、都合215人以上の代表ないしは共同代表が居ますから、その人達の数だけの多種多様なモチベーションがあっても良いと思うんです。

ですから、『CoderDojo』ではそのような厳しい規則のようなものは掲げることなく、ある種の自由を形成するための仕組みを作っています。

 

行ったことが無いので「具体的にどうなっているのか」というのが分からないんですけど、場所によって、人によって、『CoderDojo』の在り方が全然違うっていうことですよね?

 

そうです。

 

それでは、「少なくともこれだけは守る」というような――――『憲章』があるんですか?

 

えぇ、仰る通り『憲章』があります(画像・5を参照)。

その『憲章』というのが、共通の理念として共有されている形です。

『CoderDojo』=なんでもオッケーというわけではなく、この理念の下に自由が保証されている、というほうが正しいですね。

例を挙げますと、「プログラミングクラブ」と言っている道場もありますし、「プログラミングサークル」と言っている道場もあります。でも、別に「プログラミング道場」と書けと『憲章』に書かれているわけではないので、端的に行ってしまえば別にどちらでも良いんです。

『憲章』の中における特徴的なところで行くと、「道場に参加する子ども達や、その保護者から料金を徴収しません」というものがあります。

仮に『憲章』に違反した場合は、『CoderDojo』という国際商標を使用する権利が剥奪されることになりますね。それでもなお使い続けてしまうと、商標違反になってしまいます。

つまり、全体としては「その共通理念の上で個々の自由を最大化する」という仕組みになっています(画像・6を参照)。

画像・5

画像・6

 

ありがとうございます。

どこか、ちょっとITeens Labも似ている部分があるのかなと思うんですよね。コミュニティ感が強い、というような。

こばさんもそう思いません?

 

そうだね。

実際に、ITeens Labでも、「共通の理念だったりの中で活動ができるなら誰でも名乗って良い」という形にしようか、みたいな議論は結構あったわけなので。

例えば「教える」じゃなくて「みんなで学ぼう」みたいなところなんかもかな。

 

「プロダクト」と社会全体のチームプレイ

『CoderDojo』は「コミュニティ」、『未踏ジュニア』は「プロジェクト」という呼び方のほうが正しいんでしょうけれど、それも広義の「プロダクト」と呼べるかもしれないな、と考えるんです。

一つの価値を生み出す仕組み、そういった新しいもの――それを「コミュニティ」、「プロジェクト」、「プロダクト」、どう呼ぶかは人それぞれで、別にどう呼んだって良いとは思うんですけれども――とにかくその新しいものを生み出し、価値を提供していく、ということに尽きると思います。

 

どれだけ形を為しているかっていうのを抜きにすれば、僕(注・古林)も近藤も、今までにないものを考えて、実験して、生み出して、そして提供してってやっていることに変わりはないかもね。

ただ、バックエンドの部分があんまり得意じゃないけど……(笑)

 

0→1は得意だけど1→10は苦手、みたいな(笑)

 

まぁでも、そこは得意不得意の部分があったりするので、色々な人達のそれぞれがそれぞれの得意な分野をやっていく、ある種適材適所のような考え方が必要になったりするんじゃないですかね。

それぞれが価値を生み出せる部分を分担してやっていく、そういうチームプレイが社会全体でも大切だと思います。

 

安川さん、豊富な経験による興味深いお話を、いくつもありがとうございました!

安川さん、ありがとうございました!

 

配信のアーカイブはこちらからご覧いただけます。

ライブ本編には、本記事にて取り上げた個所以外にも目を引く話題が盛り沢山です。

気になるところだけでも、ぜひご覧ください!

 

また、ゲストの安川さんが代表取締役社長を務められている『YassLab』株式会社のホームページはこちらで、代表理事を務められている『CoderDojo Japan』のホームページはこちら、そしてPMを務められている『未踏ジュニア』のホームページはこちらとなっています。