プログラミングの入門ツール「Scratch(スクラッチ)」でプログラミングを学んだ子どもたちの中には「Scratchはもう十分学んだし、もう飽きた」「もっとレベルを高めたい」という子もいます。そんな声に応えてくれるのがプロも使うゲームエンジン「Unity(ユニティ)」。
この記事では「Scratchの次には何を学んだら良い?」「そろそろ次のステップに進ませたいけど何を選べば良い?」という疑問に答えます。
プログラミングの入門ツールとして人気の「Scratch」
なぜ「Scratch」が人気?
アメリカで開発されたプログラミング言語「Scratch」は世界中で使われ、日本では小学校のプログラミング必修化でも注目を集めているツールです。学校によってどんなツールを使ってプログラミングを学んでいるかは様々ですが、多くの子どもたちが「Scratch」をプログラミングの入口としています。それでは、なぜ「Scratch」が入門編として選ばれているのでしょう?
一番の理由は「ブロックを並べるだけでプログラムが組める」という「ビジュアルプログラミング」だからです。たとえば、「動く」「まわす」など指示が書かれたブロックがあり、積み木のように重ねていくだけで、キャラクターや画像を自由に動かしていくことができます。
Scratchは直感的に作業しやすく、キーボードの操作も多くありません。マウスを使って「ドラッグ&ドロップ」すればOKという簡単なものです。
特別な技術や難しい知識を持っていなくても誰もが簡単にスタートできるのが「Scratch」の最大の魅力。自分で触って、思うように動かせる。これがプログラミングの入口として選ばれる理由の一つです。「できた!」「楽しい!」それこそが子どもたちの好奇心や向学心を引き出すアクセルとなります。
向学心が高いほど「物足りなくなる」?
「Scratch」はプログラミング学習のためのツールというわけではなく、それそのものがプログラミング言語でもあるので、いろいろな応用ができます。その一方で「プログラミングが好きでもっと学びたい」という子どもたちほど「Scratch」だけではだんだんと物足りなくなってくるのも事実です。
特に、小学生高学年や中学生の生徒にとっては「Scratch」の画面を子どもっぽく感じて、もっと高度なことに取り組みたいという気持ちになることもあるでしょう。
実際に、ITeens Lab(アイティーンズラボ)に通う生徒たちやその保護者のみなさんから
・「Scratchはもう十分学んだので次のステップに進ませたい」
・「Scratchにはもう飽きてしまったので、新しいことにチャレンジしたい」
といった相談や質問も多く寄せられています。
「前に通っていたスクールではScratchのカリキュラムが終わったから」という理由でITeens Labに移籍する生徒もいます。そういった問い合わせや移籍が年々増えていることから、「Scratchの次のステップ」を求めている子どもたちが多いことが分かります。
次のステップには「Unity」がおすすめ
全国に数あるキッズ向けプログラミング教室の多くが「Scratchの次のステップ」を用意している中で、私たちがおすすめするのはプロの現場でも使われるゲームエンジン「Unity(ユニティ)」です。
※ゲームエンジンとは、平たく言えば「ゲームを簡単に作れるよう支援してくれるソフト」です。
Unityがどんなものなのか、詳しくは「小学生がUnityで本格的なゲームを作るのは難しい?」の記事で紹介しています。
次のステップに「Unity」がおすすめな6つの理由
1、テキストコーディングが学べる
「Scratch」の次のステップに「Unity」がおすすめの理由はテキストコーディングが学べることです。
「Scratch」は「ビジュアル言語」なのでその名の通り「ビジュアル(=見た目)」で理解しやすく、操作しやすいのが特長です。
一方、「テキストコーディング」は「テキスト(=文字)」を使ってプログラムを組んでいきます。
ビジュアルプログラミングと、テキストでのプログラミングの違いは、たとえばお城の模型を作るときに「粘土でつくるか」「レゴブロックでつくるか」といったような適性の違いです。どちらもそれぞれのスキルが必要ですが、粘土を使えばより細かな部分まで手作業で調整ができる。そんなイメージです。
造形の技術を深めたければレゴブロックよりも、粘土のほうが細かく作り込むことができるように、テキストコーディングはプログラムの奥深く、細かいところへと入っていくことができます。そういった意味では、テキストコーディングを学ぶことはプログラミングの学びをより深めていきたい人にとっては不可欠なステップだと言えます。
2、Scratchの延長で「ゲーム開発」ができる
「Scratch」でのプログラミング学習はほとんどの場合、ゲーム作りからスタートします。つまり、「Scratch」で自由にプログラミングができるようになっていれば「ゲームづくりに必要な基礎概念を習得している」とも言えるでしょう。
具体的には
・得点のシステム
・制限時間などのシステム
・衝突判定
・ゲームクリア判定
といったようなものです。
仮に「Scratch」の次のステップとしてゲーム以外のプログラミングを選択した場合、それに必要な知識や概念を改めて学ぶ必要があります。
たとえば、SNSのようなWEBアプリを作る場合、
・HTML/CSS
・サーバー通信
・データベース
といった、周辺の知識が必要になってきます。
「Scratch」でゲーム作りをしてきた子どもたちはツールが代わったとしてもその延長でゲーム開発を学ぶことができます。さらに、「Scratch」のビジュアルコーディングで学んだプログラミングを「Unity」のテキストコーディングに対応付けていくことができるので理解しやすいのです。
3、プログラムがどのように動いているかわかりやすい
プログラミングはゲーム開発のほか、モバイルアプリ開発やWEBアプリ開発などさまざまなことができますが、学習をする上では「今書いたプログラムがどんな風に動いているか」がリアルタイムで見えるゲーム作りがおすすめです。
たとえばSNSの開発になるとプログラムとして動かすものが「目に見えないデータのやりとり」だったりするので、プログラム通りに動いているかどうかを判断するのが難しい場合があります。
目に見えないものを想像しながらプログラムを書くのではなく、書いたものがすぐに見える。そういう意味で「Unity」ではキャラクターや画面がプログラムに沿って動くため、書いた通りの物事が起きているかどうかが分かりやすいため、インタラクティブなプログラムを作りやすく、楽しくプログラミングを学べるのです。
4、初めてでもかっこいいゲームを作れる
「Unity」ではすぐにゲーム作りに使える「アセット(3Dモデルなどの配布素材)」が準備されています。例えば「銃を撃つプログラミング」「ここにキャラクターを並べたらレーシングゲームになるプログラミング」といった形で配布専用のストアがあり、そこで「デジタルアセット」を手に入れることができます。
プログラムのほか、効果音やBGM、グラフィックパーツが用意されているのでそういったものを組み合わせることで初心者でもかっこいい世界を作りあげることができます。アセットストアにはお金を払って手に入れるものもありますが、無償のものも用意されています。
配布されるアセットをうまく取り入れることで、初心者でも比較的簡単にかっこいいゲームを作れるのも楽しく学べるポイントです。
5、プロの現場でも使われている
「Unity」は比較的コーディングの難易度が低いことから、ゲーム開発の入門に使われますがゲーム制作の他にも映像制作、物理シュミレーションなどプロの現場でも使われています。プログラミング初学者・ビギナー向けでもありプロ向けのソフトでもあるわけです。
これは、プログラミングを学ぶ子どもたちにとって大きなメリットになります。なぜなら、「途中でツールを乗り換えなくて済む」から。
もしも、ビギナー向けにターゲットを絞ったゲームエンジンで学習をスタートすれば、その後、スキルアップして物足りなくなったときには新たに上級者向けのゲームエンジンに乗り換える必要があります。
この「乗り換える」という工程には「前のゲームエンジンで学習した機能がここではどの機能にあたるのか」を調べたり、「ゲームエンジンそのものの仕組みが変わったことによって生まれた新しい概念の理解」といった、本来ゲーム開発には必要ないはずの膨大な作業が含まれています。
その作業に費やす時間は、本来ならプログラミング学習やゲーム開発に充てられていたはずの大切な時間です。「Unity」であれば最初から最後まで同じツールを使い続けることで時間を無駄にせず、効率的にプログラミング学習を進めることができます。
小学生のビギナーから第一線で活躍するプロまで使い続けられるゲームエンジン、それが「Unity」なのです。
6、AR・VR・XRなどの開発もできる
さらに学習ツールとして優れているのが「AR(オーグメントリアリティ/拡張現実)」や「VR(バーチャルリアリティ/仮想現実)」、「XR(クロスリアリティ/複合現実)」といった、今まさに注目を浴びている技術を使ったアプリケーション開発ができることです。
これらは最先端の技術ですが「Unity」なら専用のキットを使うことで小中学生でも比較的、簡単にスタートできます。具体的には、開発に慣れていないエンジニアでも手軽に取り組みやすい「Vouforia(ヴューフォリア)」や、AR開発に特化したUnityのフレームワーク「AR Foundation」といったソフトウェアをダウンロードすることで、自分の勉強机にARでモグラ叩きゲームを出現させたり、自分が描いた絵をバーチャル空間で動かしたりとAR技術を取り入れたゲームが作れるのです。
たとえば、現実世界を舞台にポケモンを集めてバトルができる「ポケモンGO」や、アバターを使ってバーチャルの世界でいろんな人と交流ができる「VRchat」など有名な作品も「Unity」を使って作られています。
ARや生成AIなど次々と新しい技術が生まれるITの世界だからこそ、ものづくりをしながら実体験をもとに新しい概念を学べるUnityを、プログラミング学習のステップアップとしておすすめしたいと思います。
ITeens Labで人気のUnityクラス
ITeens Labでは2020年頃からUnityをカリキュラムに導入し、専門の知識を持った講師を据えて「Unity初級クラス・中級クラス」を開設しました。カリキュラムを組む際に、特に注意したことがあります。それは「Unityというツールを根本から理解できる」こと。
プログラミング教室の市場では「たったの7日間でゲームが作れる!」といったように、キャッチーなフレーズで注目を集める講座もあります。確かに、7日間でオリジナルのゲーム制作ができるのは魅力的ですが、修了後にそのスキルが自分のものになっているかどうかが重要なポイントです。私たちは子どもたちがこれから学ぶツールが「どんな仕組みになっていて、どうやって使えば良いのか」、その根本から理解することに重きを置いています。
・完全オンライン制
・Unity学習に特化した専門クラス
・先生や他の生徒と一緒に楽しく学べる
生徒作品の一例
以下に、実際に学んでいる生徒たちがUnityで作った作品の一部を紹介します。
作品URLから、実際にプレイできるので、ぜひ遊んでみてください。
① 対戦ゲーム (作者:ねこみかん)
作品URL:https://play.unity.com/en/games/771f8a32-0e8f-47bb-a1ad-bd71b40ac866/itl-nekomikann
② 手作りシューター! (作者:koyabun(ibuki))
③ Bomb Survival (作者:toshiya)
作品URL:https://play.unity.com/ja/games/04e55881-66cf-400a-8840-6f39a63328f4/bomb-survival
ゼミ(授業)の流れ
ITeens Labのゼミはバーチャル教室(Metalife)を使用して、5人〜15人のグループレッスンとなっています。
以下はゼミの流れの一例です。
- Unityに関する調べ学習や、各生徒のUnityへの興味をシェアし合う「ユニ活」の時間。
- 講師が自身の画面を共有して各家庭の生徒のディスプレイで見せながら、お手本とその仕組みを解説。
- その後、一旦それを真似して実際にUnityを動かしながら作ってみる。
- 2.まででしっかりと仕組みを掴めたところで、それを応用して好きに自分の作品を制作していく。
フレンドリーな先生たちが、生徒の疑問に寄り添いながら進めて行く授業スタイルです。この間ずっと講師にいつでも質問ができますので、お子さんの中に疑問を残すことなく、スムーズな学びをサポートできます。
ゼミの時間外でもチャットなどで先生に質問を送ることもできますし、バーチャル教室に入れば先生や職員が常駐しています。
「始めたばかりで実力に自信が無い」
「周りについて行けるか不安」
といったお子さんでも、心配なく参加できます。
もちろん、2D/3Dゲームを制作する力をどんどん伸ばしていきたいという方には中級者向けのクラスもあります。
ITeens LabのUnityクラスに関するさらに詳しい情報は
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